長持ちする家について(白蟻対策編)
皆さんこんにちは。
本日は白蟻対策についてのお話をしていこうと思います。
国土交通省や京都大学の調査により、阪神・淡路大震災、中越沖地震で倒壊した家屋の約7割弱が白蟻被害により土台や柱の強度が低下していたことが分かっています。
その為、建築基準法では構造耐力上主要な部分への白蟻対策を義務付けています。
またその後耐震性についても大きな地震がある度に改正され、細かい説明は省きますが、ざっくり2000年以降に建てられた新築住宅というのは阪神・淡路大震災レベルの地震が発生しても建物が倒壊することはないでしょう。
しかしながらこの耐震性というのは家が万全の状態で保証されるものであって、白蟻被害を受けた家については、ひとたび大地震が発生すれば、瞬く間に倒壊してしまうでしょう。
ということは、30-60年と住む家にはそれだけの期間中、白蟻被害を防止し、耐震性を保つことが出来る白蟻対策が必要になることは理解できるかと思います。
それでは具体的な白蟻対策の方法ですが、主な方法は4つあります。
①薬剤散布(表面処理)
②タームガード(家周り薬剤散布)
③ホウ酸処理
④薬剤(ACQ)加圧注入
①薬剤散布(表面処理)
一番安価で多くのメーカーに使われている方法です。
所要構造部へ薬剤を散布する方法ですが、今の薬剤は人体への影響を考えて安全性が高いものしか使うことができず、効果は5-10年と言われています。
しかも新築時には施工できる薬剤散布も、家が建ってしまうと、効果が切れた時の再施工の際には、床下の一部しか白蟻対策ができていないことになります。
ということはこの方法で白蟻対策をしてしまうと、5-10年目以降は白蟻に対してはノーガード状態になってしまうということです。
上記の理由から一番オススメしない白蟻対策となります。
ランニングコスト 10-15万円/5-10年
②タームガード(家周り薬剤散布)
次にこのタームガードという方法について説明していきます。
このように家の外周周りに薬剤を散布する配管を取り付け、家に近づかせないという方法になります。
薬剤が効いている限り効果は継続しますが、
初期コストがそれなりに発生します。ランニングコストは①と同じくらいですが初期費用として30万円程度かかります。
ランニングコスト 10-15万円/5-10年
③ホウ酸処理
アメリカではポピュラーな方法で、施工方法も①の薬剤散布と変わりません。
では何故この方法を、③にしたかというと、薬剤の効果が切れるまでの時間が違うためこの分け方になっています。
ホウ酸については揮発性がなく半永久的に効果が持続するため、再施工の必要がありません。その為①の様な再施工できない部分が発生するというという欠陥がない施工方法です。
しかしこのホウ酸処理にも弱点があり、水煮溶けやすいという弱点があります。
そのため在来工法のような屋根まで付け終わってから薬剤散布する方法なら問題点ありませんが、ツーバイフォー工法の様な土台から順番に積み立てていく工法では使えないというデメリットが存在します。(雨養生をしっかりすれば出来ないこともないですが、手間は掛かります。)
しかし上記の問題をクリアすれば効果は半永久的に続くのでコストパフォーマンスは高い施工方法です。
初期費用20万前後
ランニングコスト 0円
④薬剤(ACQ)加圧注入
巨大な圧力鍋に木材を入れて薬剤を加圧注入する方法です。
効果は半永久的で雨にも溶け出さず、安全性も確かな素材なので問題は一切ありません。
唯一の弱点は初期費用が高額なことです。
1軒辺り50万円+α程度の費用を見ておく必要があります。
ランニングコスト 0円
結論としては費用に余裕あれば④
工法に問題がなく、施工が可能なら③
定期的なメンテナンスコストに目をつぶれるのであれば②
①はコストパフォーマンス的にも、安全性の観点からも選択肢から外れるところかと思いますので、メーカー選びの際には①以外の施工してくれるメーカーを選ぶようにしましょう。
本日は以上になります。
それではまた次回お会いしましょう!