長持ちする家について(外壁編)
今回は外壁に関するお話としていこうと思います。
屋根材や外壁等の外装材と呼ばれるものに関しては、見た目を綺麗に保つことは勿論、耐久性の維持、水漏れを防止するためにも、定期的なメンテナンスが必ず必要になってきます。
外壁に関しては今の住宅によく使われているのは
- サイディング
- 塗り壁
- ガルバニウム
- タイル
の4種類が主な外装材となります。
これらのメンテナンスコストについて話していきます。
なお、費用については34坪正方形の総二階を想定しています。
①サイディング
サイディング自体の耐久性は商品にも寄りますが、15-30年程度持つと言われています。しかし、サイディング自体の寿命を迎える前に、サイディング同士の継ぎ目や窓枠等のサッシの間に施工される
シーリング材(コーキング材)
と呼ばれるゴム状の製品が経年劣化により役割を果たせないようになってしまいます。
↑経年劣化によりひび割れた状態↑
ここから雨水が浸水し構造躯体にダメージを与える。
このシーリング材はサイディングだけではなく他の外装材でも使用されていますが、他の外装材が窓枠や換気等の設備との継ぎ目だけに施工されるのに比べ、サイディングに関しては各ボードの継ぎ目毎にこのシーリング材が必要になるので劣化による雨漏りリスクは必然的に大きくなります。
サイディングメーカーもこの問題を重くみており、少し割高にはなりますが以下のようなコーキングレスのサイディングも販売されるようになっています。
旭トステム ガーディナル
https://www.asahitostem.co.jp/product/atwall/guardenal/about.php
ニチハ Fuge
https://www.nichiha.co.jp/wall/linenap/fuge.html
サイディングに関しては現在の新築時に1番使われており、初期コストが1番安く済みますが、トータルコストはそれなりに割高になる事を理解しておく必要があります。
サイディング塗り直し/15-30年
(コーキング打ち替え込) 100万円前後
サイディング張替え/15-30年
(コーキング打ち替え込) 200万円前後
コーキングのみ打ち替え/15年前後
30-40万円
②塗り壁
塗り壁に関しては職人の腕による所が大きく、その為人件費が嵩みがちという問題点があります。値段としてはサイディング以上タイル未満といった感じでしょうか?
ただ、今の塗り壁の材料はカルクウォールといった洋風の塗り壁も販売されるようになり、和洋どちらでも個性的な外観を演出することができます。
塗り直しのメンテナンスコストも10-15年に一度程あり、トータルコストはサイディングとほぼ変わらないぐらいではないでしょうか?
塗り壁塗り直し/10-15年 50-100万円
コーキングのみ部分打ち替え/15年前後
足場あり 25万円前後
足場なし 15万円前後
③ガルバニウム
メンテナンスフリーと思われている方も多いのですが意外と手間がかかるのがこのガルバニウム鋼板です。
初期コストはサイディング、塗り壁よりも高めの傾向があり、サビ防止のため10-20年毎の塗膜補修も必要、赤錆防止のため、半年に一同程度外壁に水を掛けてやる必要もあります。
また施工に技術が必要な為、新築及び修繕時に施工出来る会社が限られます=コストアップ
最近はマグネシウムを添付し耐久性を3倍に高めた高耐久ガルバニウム「SGL」という商品もあり、これはかなり評判がよく、今後の普及度合いによるコストダウンによってはサイディングに取って代わる勢いのある商品ではないかとおもっています。
ガルバニウム塗膜補修/10-20年 80-120万円
シーリング 塗り壁と同様
④タイル
初期投資が一番掛かるのがこのタイルになります。概ねサイディングと比べ150-300万円程度の値上がりを覚悟する必要があります。
しかし見た目の高級感、ランニングコストの低さから高級ハウスメーカーの代名詞というような感じの外壁という印象ですね。
紫外線に強く、吸水率も低いタイルはいえを壊すまでタイルを交換する必要はないでしょう。
しかしタイルはサイディングに接着剤によって取り付けられているものが多く、施工者の技術不足により、地震等でタイルが剥がれ落ちるなど施工精度が要求されます。
予算に余裕があれば検討する余地は充分あるかと思われます。
シーリング 塗り壁、ガルバニウムと同様
これら4つの外壁は一長一短であり
予算、メーカーの得意分野、トータルコストを見て一番の選択肢を選んで下さい。
それではまた次回お会いしましょう!