長持ちする家について(ルーフィング編)
皆さんのお家はどうやって雨から守られて居るのでしょうか?
屋根じゃないの?
と思ったあなた、実は間違いです。
住宅を雨漏りから防いでいるのは屋根材の下に引かれたルーフィングという防水材で守られて居るのです。
日本で多く使われているスレート屋根の仕組みと合わせて説明していきます。
スレート屋根は上の写真の様に屋根材が釘で止められており、屋根材と屋根材の重なりの部分で隙間ができています。
このことによりスレートの内側に水が入ることがありますが、野地板の上に防水紙(ルーフィング)があるため、室内に雨が入ることはありません。
じゃあこれで安心じゃないかと思われるかもしれませんが、このルーフィングという商品の性能はピンからキリまで凄く差がある建材なのです。
安いものなら家1軒で10万円以下で済みますし、最高級の商品で私が知っているものだと50万円ほどかかる商品もあります。
では、この値段の違いによってどんな性能差が生まれるのでしょうか?
大きく分けて④つあります。
①止水性
屋根材から浸入した雨水に対して、釘・ねじ・針などで
ルーフィングに穴を開けた部分から室内へ雨漏りさせないこと。
②耐久性
屋根はあまり知られていませんが、住宅の中でもっとも高温低温を繰り返している場所。
その使用環境において、有害な変質、変形を生じないこと。
③施工性
ルーフィングの施工時に破断・破損しないこと。
また、屋根材の施工時にも耐えうること。
④強度
引張強さ、つづり強さ(つぎ合わせの強さ)がある程度高いこと。
他にも細々とあるのですが大まかにこの4つと思って頂ければいいかと思います。
この中で最も大事な止水性についてはJIS規格により最低限の基準が定められています。
ちなみにこの最低限の基準というのは、
釘を10本打ち付けてその内の2本までなら水漏れしてもOK。
何ともまぁ適当なことか(笑)
JIS規格の基準というのは建築基準法と同じで、製品としての最低限の基準を満たしているかどうかだけてあり、規格をみたしているからといって安心という訳ではないので注意して下さい。
私の主観として、ローコストメーカーはここをケチることが多く、耐用年数10年程度の安物を使っている印象です。
逆にミドル〜ハイコストのハウスメーカーについては20-30年程度の耐久性のモノを使っていることが多いです。
ちなみに少し建売の悪口になってしまいますが、私が3軒目の住宅を建てる際に見て回った建売住宅を販売する会社でマトモなルーフィングを使っているトコロはありませんでした。(10件程の会社ですので全ての建売がそうだと言うつもりはございません。)
建売住宅を買う人はそんなトコロを気にする人はいないので当たり前といえば当たり前な話なのですが、日本の住宅業界のレベルの低さを感じた瞬間でもありました。
屋根材の耐用年数というのは1番普及しているスレート屋根で15-25年なのでこの耐用年数以下のルーフィングを付けてしまうと、屋根はまだ綺麗なのにルーフィングが破れて雨漏りしてしまう。といったトラブルが起こり得ます。
長持ちする瓦でしたら30-100年持つと言われていますので、それ相応の性能のルーフィングが必要になる訳です。
現状コスパが良いルーフィングの耐用年数が20-30年ほどなので最低限このレベルの商品を付け、
屋根材のメンテナンスの時期と併せたルーフィングの選定を行うことが、ランニングコストを抑えた最良の選択となるでしょう。
皆様も予算と性能のバランスを考えてより良い家を作って行きましょう!
それではまた次回お会いしましょう!