「ハウスメーカーは原価率低くて損ですよ」という工務店のウソとホント
皆さんこんばんは!住宅オタクです。
新型コロナの影響で外に出ることもできないので今日も家づくりについて色々書いていこうと思います。
ちなみに今日のお話は工務店を貶めるものではなく、またハウスメーカーを擁護するわけでもありません。
ハウスメーカー、工務店共に得意分野や不得意なところがあり、それを取捨選択するのが施主の家づくりではあるのですが、誤った営業トークに騙されて欲しくないとの思いからこの記事を書くことにしました。
それではまず結論から言ってしまうと、
ハウスメーカーと工務店の家造りは規模の違いから同じ部材、住宅設備を使っても工務店は仕入れ単価が高いので必然的に原価率が上がってしまうのです。
原価が高いことをセールスポイントにしている営業マンが居られますが、これはいい素材を使っているというより、仕入れ単価が高いことを上手く誤魔化すセールストークであることが多いということです。
極端な例ですが、この二つの家の仕様から原価について考えていこうと思います。
大手ハウスメーカーA
(戸建て年間1万棟、商業施設・マンションetc年間5万棟)
販売価格2200万円
部材・設備の原価率45%=1000万
地域工務店B
(年間10棟前後)
建築価格2000万円
部材・設備の原価率75%=1500万
この2件の家は全く同じ部材、住宅設備で出来た家と仮定します。
家というのは一軒辺り1万点(釘除く)の部材や設備からできています。これらを一括仕入れ出来ることでハウスメーカーは部材、設備の大幅なコストダウンに成功しています。この浮いた費用をハウスメーカーは
- メーカー独自で行う性能試験
- 新商品・工法の研究開発
- 宣伝広告費
- モデルハウス建築費・維持費
に投じており、その結果、多数の販売棟数やメーカー毎の住宅関連の特許技術、国以上の独自の安全基準を達成しているのです。
例えばですが耐震等級3の住宅でも
工務店の住宅に関しては、申請書を出し計算上震度6に耐えられる住宅を買うということであり、逆にハウスメーカーの住宅に関しては、実験棟を建て、実際に震度6に数十回と耐えた家と同じ家を買うというというイメージでしょうか?
確かにハウスメーカーで建てる住宅というのは、同じ性能の工務店のものと比べて10%前後割高になることが多いかと思います。
しかしながら、それを懐に入れているわけではなく、我々施主側はそれまでに建てた方の利益から得た研究成果の恩恵を受けており、私達から得た利益は次の施主に還元されているということも覚えていて欲しいと思います。
私自身家を建てるにあたって、様々なハウスメーカーや工務店を巡りましたが、この原価率で営業をかけてくる工務店の営業さんがとても多い印象を受けたので、今回の記事を書かせて頂きました。
同じ家を買う場合でも、
少数仕入れのため原価は高いが、他に無駄な予算を掛けていない工務店の家を選ぶか。
一括仕入れで原価は安いが、研究開発や広告に予算を掛けたため工務店より割高だが、安全や技術に関しては勝っているハウスメーカーの家を選ぶか。
個人の予算や好みで選ぶところかと思いますが、工務店かハウスメーカーで迷った時や、営業マンに原価の話をされた時は、この記事を思い出して頂ければ幸いです。
それでは本日は以上になります。
また次回お会いしましょう!